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■患者さんはどのような方が多いのでしょうか。
■それでは患者さんの口腔内の状態も良くなっているということですか。
■患者さんとはじっくり話すことをモットーとされているのですね。
■患者さんに原因をわかってもらうために、何か特別なコミュニケーションツールを使っていますか。
■先生は、医科との連携を密にとられているとお聞きしましたが。
■逆に先生のほうから、医科の先生に紹介するということもありますか。
■先生はこのお仕事がお好きなんですね。

■患者さんはどのような方が多いのでしょうか。
●最近見られる傾向としては、「どうしてこのような治療を行うのか」と質問してくる患者さんが増えてきたということがあげられます。そういう方は自分でも勉強していて、衛生士を困らせるような突っ込んだ質問をすることもあります。
 しかし、そういう方ほど、納得できる答えを提供できれば、高い信頼が得られ、非常に長くお付き合いしてくださいます。
 うちは、長く通ってくださる方がほとんどで、10年来の患者さんや、なかには開業当初(1989年)からのお付き合いの方もいます。そういう患者さんの存在から、「地域に根ざした医療を行いたい」という自分の理想に近づいてきたという手ごたえを感じています。
 例えば、埼玉に転勤した方で、いまだに家族総出で通ってくださる方もいますし、転勤先から電話をかけて相談してくる患者さんもいます。もちろん私はコンプライアンスが高い方のためだけに診療しているわけではありませんが、開業した当初に比べれば、患者さんの自分の口腔内に対する関心は高くなっていると感じますね。
 
■それでは患者さんの口腔内の状態も良くなっているということですか。
●それは二極化していると思います。
 自分の口腔内に関心を持つ人は、たとえどんなひどい状態だったとしても、その原因と対処法を説明すれば改善します。
 ただし、やみくもに「甘いものは駄目」というように、砂糖の摂取を禁止するのはあまり効果があるとは思えません。なぜなら、その人の生活習慣をガラッと変えるのは難しいからです。ですから、喉の調子が悪くのど飴を手放せない人には、シュガーレスのものに代えてもらうとか、清涼飲料水が手放せない人には、それをお茶に代えてもらうとか、その人ができそうな範囲での‘摂取方法’についてアドバイスするようにしています。

 
■患者さんとはじっくり話すことをモットーとされているのですね。
●私は、治療計画、治療費よりも、「このような口腔内になった原因を理解してもらう」ことに重点を置いています。その点について納得してもらうと、その後の処置については短時間でわかってもらえます。
■患者さんに原因をわかってもらうために、何か特別なコミュニケーションツールを使っていますか。
●痛みだけをとってほしいという患者さんは別ですが、基本的にデンタル10枚法と口腔内写真で患者さんの口腔内を把握します。それ以外の特別なツールは現在使用していません。
 患者さんには、X線フィルムの見方も説明しています。例えば、根管充填をした場合には処置後のフィルムを見せて、その変化まで説明します。ですから、私の患者さんのなかにはフィルムの見方をある程度理解して、別の歯を指さし、「根っこの消毒甘くないですか?この歯も治療して下さい」と言ってくる人もいます。

 
■先生は、医科との連携を密にとられているとお聞きしましたが。
●はい。患者さんが医科にかかっている場合には、必ずその医師に手紙を出して、今の病状や投薬・コントロール状態を尋ねます。そして、患者さんの全身の症状と飲んでいる薬を把握したで、対処しています。
 つまり、「あなたの体の中で、口腔内に関しては私が引き受けます」との態度で診療に臨んでいるということ。逆に言えば、口腔内の処置に起因して他の部位に問題が出ることは絶対に避けたいことです。ですから、医科の先生とは密に連絡を取り、原因などを論理的に説明します。
 最近は、近隣の医科の先生から患者さんを紹介されることもあります。特に多いのは、内科や整形外科から顎関節症の患者さんを紹介されるケースですね。患者さんのなかには、「顎が痛い時は、歯科にかかる」という意識がない人もいるようです。
■逆に先生のほうから、医科の先生に紹介するということもありますか。
●もちろん気になることがあれば紹介します。例えば、フラップオペレーションを行った際、創面の治りが悪く、糖尿病を疑い紹介したケースもあります。私の医院で糖尿病がわっかたというケースは、近年よくみられます。
 また、それだけではなく、患者さんから歯科以外の全身的な問題について「わかる範囲でいいから」と、相談されることもあります。歯科医師がそこまで言及していいのかは別 として、患者さんがそこまで相談してくれるのは素直に嬉しいことですね。
■先生はこのお仕事がお好きなんですね。
●確かに医局にこもっているより、治療を行い患者さんとコミュニケーションをとっているときのほうがずっと楽しいです。ですから、今の診療システムをよりしっかりと行い、これからも地域の人々の健康にさまざまな形で寄与していきたいと思っています。

日本歯科新聞社発行 アポロニア21に掲載された記事より抜粋